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  • 公開日時 : 2014/04/15 11:54
  • 更新日時 : 2019/01/10 12:11
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私は映像製作事業者です。結婚披露宴の撮影を依頼されたのですが、背景で音楽が流れている場面をビデオ(記録用ビデオ)に収録する場合、音楽著作権の許諾は必要でしょうか。

回答

入退場、ケーキ入刀、プロフィール紹介のビデオ上映、余興、エンドロールのビデオ上映等、披露宴の演出を行う上で重要となる主要な場面(以下「主要場面」といいます。)において流される楽曲を収録する場合には、許諾が必要です。
 
著作権法第30条の2(※)は、コンテンツの製作に当たり、本来の撮影対象事物と分離困難なため付随して対象となる著作物のうち、製作されたコンテンツにおいて軽微な構成部分となるものについては、許諾なく利用できるとしています(いわゆる「写り込み」)。

主要場面において流される楽曲は、会場の雰囲気づくりに貢献し、演出効果を高めることから、主要場面における重要な要素ということができます。
 
新郎新婦から記録用ビデオの製作を受託した映像製作事業者がコンテンツを製作するに当たっては、会場の雰囲気や演出効果を余すところなく収録するものと考えられます。
そして、本来の撮影対象事物である主要場面は、複数の重要な要素が組み合わさって成り立つものであることから、主要場面で流される楽曲は、コンテンツの製作に当たって、本来の撮影対象事物そのものであると考えられます。
したがって、主要場面における楽曲は、「本来の撮影対象事物と分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物」ではありません。
また、製作されたコンテンツにおいても、主要場面で流される楽曲は、重要な要素であることに変わりはありませんので、「軽微な構成部分」となることもありません。

以上のことから、主要場面において会場に流される楽曲を収録することは、著作権法第30条の2(いわゆる「写り込み」)には該当せず、楽曲の著作権について利用許諾が必要となります。

一方、披露宴の出席者が歓談している様子や出席者がカメラに向かってお祝いの言葉を述べている様子等、主要場面以外の場面の背景で流され、そのまま収録された楽曲については、それらの楽曲が演出効果を高める意図をもって使用され、演出上、重要な要素となる場合や、演出上、重要な要素とはならない場合でも新郎新婦の意図に基づくなどして敢えて撮影対象に含めることとしている場合を除き、著作権法第30条の2(いわゆる「写り込み」)に該当する可能性があります。
 
許諾の要否については、以下のURLもあわせてご参照ください。
記録用ビデオにおける著作権法第30条の2の適用に係る判断基準について

ご利用予定の楽曲がJASRACの管理作品かどうかを、作品データベース「J-WID」にてお調べいただき、JASRAC管理作品の場合は、下記をご参照のうえ、手続きをお取りください。

また、市販のCDなど第三者が製作した音源を複製する場合、著作権とは別に、レコード会社や歌手・アーティストなどの著作隣接権が働くことから、それらの許諾も必要となります。

事業者が行うブライダルでの複製利用に関しては、一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM:アイサム)に「著作権」手続き等の事務代行を依頼することができます。
ISUMは「著作権」だけでなく、「著作隣接権」についても手続き等の事務代行を行っているため、ISUMを窓口とすることで「著作権」と「著作隣接権」とを同時に手続きすることができます。

(※)参考条文
(付随対象著作物の利用)
第30条の2   写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴つて複製又は翻案することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。


2   前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

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