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  • No : 59
  • 公開日時 : 2010/09/13 18:24
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私的録音補償金の制度ができたのはどうしてですか?

回答

著作物を複製することができる権利は著作権者だけがもっており、ほかの人が無断で複製することはできないというのが、世界共通の原則です。この原則に対する例外として、「特別の場合」であって(条件①)、著作物を扱うビジネスと競合せず(条件②)、かつ著作権者に不利益を与えない(条件③)のであれば、著作権を制限し、ほかの人が自由に複製できるようにする法律を作ってもよいということが、国際条約(ベルヌ条約など)で認められています。
わが国では1970年の著作権法全面改正の際に、「特別の場合」(→条件①)の一つとして、私的使用を目的とする場合について、複製を自由とする規定が設けられました。当時は個人レベルの複製手段が限られていたため、条件①だけで複製を自由としても、著作物を扱うビジネスと競合したり(→条件②)、著作権者に不利益を与えたり(→条件③)することはないと考えられていたのです。
しかし、その後カセットテープレコーダーやビデオテープレコーダーが一般家庭に広く普及し、レコードレンタル店・ビデオレンタル店が急速に市場を拡大するなど、状況は大きく変わりました。そして、家庭用デジタル録音機器・録画機器の商品化に向けた動きが本格化すると、条件②や条件③との関係で私的録音・録画の問題がクローズアップされるようになりました。
この問題については、政府の審議会で学者、電機メーカー関係者、消費者、著作権者らによる議論が行われました(1977年~1991年)。その結果、私的録音・録画が質・量ともに当初の想定を超えて著作権者の利益を害する状態になっていると認めた上で、ユーザーの利便と著作権の保護とをバランスさせる方向で解決することが望ましいとして、私的録音・録画の自由を従来どおり維持する一方で、デジタル方式の録音・録画機器・記録媒体に広く薄く課金する補償金制度を導入すべきであるという結論が出されました。これを受けて、1992年の国会で著作権法の一部が改正され、1993年6月から補償金制度がスタートしました。
こうした趣旨の制度は、わが国独自のものではなく、1965年に西ドイツ(当時)が世界で初めて導入して以降、欧米諸国を中心として20カ国以上で採用されています。

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